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JPA奨学金のその後

奨学金を借りて卒業した後に非正規雇用が理由などで返済ができなくなって困窮しいる人が増えている現状から、日本でも、返済の義務のない「給付型奨学金」を新しく作るという話が浮かんでいましたが、頓挫してしまいましたね。

進学希望の学生全員を対象にするのか、私立医学部など莫大な費用がかかる場合でも適用されるのか、また何千万円かかっても全額返さなくていいのか。
候補者をどう選ぶのか?

選ばずに希望者全員になんてことになったら予算的に無理なのは目に見えています。悲しいかな、話が進まないのは当然だと感じました。


以前のマレーシアのJPA奨学金は、人種(国籍はマレーシア国籍に限る)、家庭環境、課外活動、面接の結果を総合して奨学金受給者を選んでいましたが、2012年からは国の統一試験SPMの結果のみを基準とすることになり、SPMで頑張って良い成績を収めプリU奨学金を獲得し、プリUでもさらに頑張って海外の有名大学の指定された専攻に合格すれば政府のお金で留学できるというルールで運用されてきました。
ところが、これが政府の財政難から廃止かという話になって一時はプリU進学前の子供さんだけでなく、奨学金でプリUを終えてAレベルで優秀な成績を収めすでに海外の有名大学からの合格を手にして申し込み寸前というタイミングの子供さんを持つ家庭にも激震が走りましたが、先月頭に今後の方針が発表になりました。

どのような決定があったのかというと、「政府にお金がないので、これまでの返済不要な給付型奨学金という制度から、返済の義務のある貸与型奨学金=「政府が貸し付ける教育ローン」という形に変更しますね」というのが大きな流れです。

従来はSPMで9科目以上Aプラスを取って奨学金の申し込みを希望する子は全員がリストにある有名大学への進学が叶えば学費は(いくら高くても)政府が持ってくれるという制度でしたが、昨年の試験の成績優秀者のうち海外の有名大学への奨学金での留学の権利が与えられたのは「トップ20位以内に入った子」だけとなってしまいました。

昨年の試験の結果、9Aプラス以上を取ったのは714人だったそうですが、その中のたった20人だけが、リストにある有名大学の特定の学部に進学する場合に限り、海外に留学する場合も奨学金を獲得することができます。

それ以外の子たちが海外の大学に留学する場合はJPA奨学金は出ないことになりました。
21位の子がプリUでものすごくいい成績を収めてハーバードとかマレーシア人に人気のケンブリッジとかに合格しても政府からは奨学金は出ません。
自費で行くか、合格した大学や大学のある国からの奨学金などに頼ることになります。

マレーシア国内でプリUと大学に進む場合は奨学金がもらえます。ただしこれは「今回限り」の措置で、今年以降はSPMで良い成績を取ってもプリU奨学金はもらえず、またプリU修了後、これまでなら奨学金対象になっていた海外有名大学に合格できても返済しなくていい奨学金はもらえないのは先ほど書きましたが、国内の大学進学に際しても以前は私立の医学部もリストに入っていましたが今後は国立大学と国の関連企業運営する大学、例えばUNITENやMMUといった大学のみが対象となるのではないか(今後は国内の一般的な私立大は対象外に?)というニュアンスの発表で、奨学金での進学の進路の幅が狭まったような印象を受けます。

エンジニアを育成するための、日本、韓国、フランス、ドイツへの留学は200人が奨学金対象となりました。
これは今後も継続かどうかは書かれていないのですが、日本の国立大学は欧米の大学に比べ(マレーシアの私大に比べても)かなり割安ですし、ドイツはもともとタダなので、仮に今後も継続するとしても政府にとっては大きな負担にはならないはずなので、こちらはこのまま継続の可能性もありそうな感じです。

ただし奨学金で海外で勉強できるようになった子も、卒業後にどこで働くかによって、貰ったお金を返さなくてはいけないそうです。
もし卒業後にマレーシアに残らず海外で就職してしまった場合、全額返さなければならない。

マレーシアに戻って政府機関で働く場合はマレーシアの国のために役立ち人材になったということで返済は必要なし。

政府機関ではなく政府関連企業に就職した場合は25パーセントは返さなければならない。

マレーシア国内の一般企業で働く場合は50パーセント返すことになるそうです。

何年そこで働かなければいけないのか?
これはかかったお金に比例して、例えば海外の医学部だったら長い年数たくさんのお金がかかっていますから10年。
エンジニアリングだったらもう少し短いし安いしで7年とか。

「貰いっぱなしにはさせないぞ」というのが今回の変更の目的のようです。

日本でも防衛大学に進学してお給料をもらいながら勉強していた人が卒業したら自衛隊に入隊せず一般企業に就職してしまうというので学費を返還させろという声も出ていますが、マレーシアの政府の中にもお金をかけて勉強させて海外に残られてしまったら大損という意識が出てきているのでしょう。


ただ、JPA奨学金がなくなっても、良い成績を取り課外活動もバッチリこなしていけば、進学先の大学で奨学金をもらえたり、企業からの奨学金を獲得できたりします。
企業の奨学金の中には海外の大学も進学先に選べるものもあります。

家庭の経済状態によっては返済の義務のない政府からの学費補助というのもまだ残されています。

マレー系含むブミプトラに配偶者をお持ちの方の子供さんはMARA奨学金という別の奨学金の権利もあります。

これからセカンダリーに進んでSPMを受験する子供さんには、今回の決定でがっかりしてしまわず、希望を持って頑張ってもらいたいと思います。


あ、そうそう、外国人(日本国籍)でもSPMで9Aプラスを取るとか、イギリスの統一試験で9Aスターを取るとか、カナダ系インター(サンウェイインターですね。笑)で全てに科目の平均で100のうち95以上取るとか、いい点を取れれば私立のカレッジのプリUはタダで勉強できますし、寮費もいらなかったりしますし、その後もいい成績だったら何らかのご褒美をもらえる可能性があるので「うちの子はマレーシア国籍じゃないから関係ないわ。」とは思わず、頑張るように励ましてあげてくださいね。